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メタボ予防と水中ウォーキングの関係とは?   2012.03.24

最初に手にしたモノ、それも労して入手したモノは思い出があり、なかなか手放せないものです。

これからは”画像”の時代。書籍や用具だけではなく、アクアも動画のビデオ収集が大事になる。そう思っていた矢先に外国雑誌に「米国赤十字社(American Red Cross)がアクアのビデオ教本を制作・販売する」との小さな記事が目に付きました。早速、その雑誌社へ問い合わせ、ビデオ販売元(米国赤十字社)へ注文しました。そのビデオが”AQUA FITNESS”です。1983年の事です。アクアのビデオは珍しかった。わくわくして観たのですが期待外れ。内容は長いスピーチで始まり、おもむろにプール壁面に背中をつけた姿勢でのプレ・ストレッチ(ウォームアップ)。すり足から大股歩きなど数種の水中ウォーキング。次に壁面と向き合った立体でのポスト・ストレッチ(クールダウン)、それだけ…。再び長いスピーチがあり、それで終り。期待していただけにガッカリ…。

 
 
 

長いスピーチの殆どが成人病予防に関すること。つまり今流で言えば「メタボ予防」に関すること。アクアが最も効果的、と言う結論なのですが説明が長い。後日、知ったことですがスピーチの初老の男性は成人病学の世界的な権威、カンサス州立大教授テリー・エドガー博士(当時)でした。

アクアの良さは中程度の運動強度でありながら極めて完全性が高いこと。浮力・抵抗・水圧・水温の「水」の特性が最適な運動効果を勝手に引き出してくれること。などなど、今では常識的なことばかりですが、当時(30年前)は斬新な内容でした。博士の肉声はハッキリ言って聴き取り難く。でも、幸いにしてこのビデオにはリフレットが付いていましたので、何度も聴き、何度も読み、なんとか少し理解できたわけです。あれから30年近く立ってしまいました。

今月は倉庫を移すことになり、これまでにコレクションしたアクアの本やビデオやアクアギアを整理整頓。たまたま、あのビデオが出てきました。当然ですが当時はVHSかベータかPALです。久しぶりに観ると画質がかなり劣化していました。確かにテープが伸びるぐらい何度も観ましたからネ。取りあえず、DVDへ変換しようとしたら、何とコピーガードされていました。残念。これまでに収集した貴重なビデオだけでも楽に100本以上。でも多くはDVD化できません。何故ならば、コピーガードが付いていることが今回分かったからです。その当時、それが流行っていたのですね。

それはさて置き、アクアとは殆ど縁のない”門外漢”とも思える米国赤十字社が意を決して制作販売した一本のビデオが多方面に波紋を広げた。反響が大きかったらしく、その後、例の”スピーチ”をカット、内容を一新したヴァージョンアップ版も制作販売されたようです。それも影響したかも知れませんが、水中ウォーキングがメタボ予防の効果的なエクササイズとして認知されるようになった。2000年には全米はおろか世界中に普及したことはご承知の通りです。

1990年代、米国で成功した国家プロジェクト「メタボ予防キャンペーン」。10年遅れで日本も追随したのですが、今のところ米国ほどの成果は上がっていません。日米間では医療保険制度やメタボ世代の運動参加率にかなり格差があるから…。アプローチの仕方が間違ったのでは…。などなど様々な見方があるようです。メタボ健診もあまり成果はあがってない。キャンペーンで「漁夫の利」を得たのは意外にもソフトドリンク業界。ノンシュガー、高血圧や血糖値を抑えるドリンク、脂肪燃焼ドリンクなどの売り上げが伸びた。イージーなのかナ…。

しかし、この間、ハッキリ変わったことが一つ。それはあの頃、日本中でプールの中を歩いているヒトは誰一人いなかった。が、いまでは多くのプールに歩行専用レーンがある。そこで泳ぐと注意される。それだけ水中ウォーキングが社会的に認知され、”市民権”を得たわけです。これからが勝負、そんな気合を込めて、Go Japan Do Aqua!

AD研 今野 純