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浮力の抵抗が研究テーマ 大塩琢也さん 学会発表   2012.09.27

先日、山口観弘選手が世界新を記録した岐阜国体会場の隣りの長良川国際会議場で行われました第67回日本体力医学会大会に参加。2年間、信州大学での私自身のプールで研究してきた集大成を口頭発表しました。

水中運動は免荷率70%がGOOD?

タイトルは『水中歩行時の有酸素性運動能に及ぼす免荷率の影響』。まだ課題はありますが、少しずつ<水>を紐解いていきたいと思っています。

この研究では、一人のメンバーさんにそれぞれ65%・70%・75%の免荷率で、9分間<低速・中速・高速(主観強度:RPE11・13・15)×3分間>、徐々に歩行速度を上げてプールを歩いて貰いました。合計8名。その時の有酸素性能力・心拍数を測定し、分析する。その結果、70%免荷が一番良い運動が出来た。つまり、70%免荷の状態で水中運動を行えば、運動効果が出やすいのでは…(?)。というのが今のところの見解です。今後の研究結果をどこかの機会に皆さまへお伝えしたいと思っています。
 
メンバーからの素朴な質問がヒント

なぜ、このような研究を始めたのか。それは2年前、一人のメンバーさんの素朴な一言でした。その方から「5年も10年もプールに通っているのに身体に変化がない!」「何故か?」と聞かれたからです。

 

人間の身体はザックリ分けると「脂肪」と「筋肉」。水中では脂肪は浮き、筋肉は質量が高いので沈む。しかし、同じ水位で脂肪が多くても背が高いと身体は沈む。筋肉質の方で背が低いと浮くわけです。つまり、人それぞれ水中で身体に起きている現象がちがう。ですから、個々の対応が必要なわけです。例えば、どの程度浮くのか(?)。沈みぐあいはどの程度か(?)。それをシッカリ調べ、実験しなければならない。例えば、110cmのプール水位だと、中高年女性の平均的な身長では、胸の高さに水位がある。免荷率表で胸の高さだと70%免荷する。その70%を中心に65%(やや沈める)と75%(やや浮かす)の状態を重錘と浮具で再現するわけです。私の施設ではプール床が上下動する装置はないので、重りや浮きで調節しなければならないわけです。

こんな地味な研究を続けています。浮力の次は抵抗。ハイドロトーンで筋力アップ。運動効果を研究します。今後も皆さんの協力や知恵をお借りして、アクアの認識を更に高めたいと考えています。どうぞ宜しくお願いします。

ケアポートみまき
温泉アクティブセンター
理学療法士 大塩琢也
<HYDROナショナルトレーナー>

詳しくは こちらへ >> ケアポートみまき 温泉アクティブセンター