健康寿命 男性は71.19歳、女性は74.21歳 男女ともに延びる
健康に日常生活を送ることができる期間である「健康寿命」が、男性は71.19歳、女性は74.21歳と、男女ともに延びたことがわかった。 厚生労働省によると、日本人の2013年の健康寿命は、男性が、2010年より0.78歳延びて、71.19歳となり、女性は、0.59歳延びて、74.21歳となった。 これにより、平均寿命から健康寿命を差し引いた日常生活に制限のある期間は、男性は9.02年、女性は12.4年となった。 厚労省は、死亡率と不健康割合が、ともに改善したことが、健康寿命の延びにつながったとしている。
◆◆◆ フジテレビ系(FNN) 10月1日(水) ◆◆◆
高齢になっても、介護を必要とせず、自立して生活できる期間をできるだけ延ばしていく。超高齢社会へ向けた大きな課題である。
厚生労働省が今月公表した2014年版の厚生労働白書は、「健康長寿社会の実現に向けて」をタイトルに、「健康寿命の延伸」をメインテーマに掲げた。健康寿命は、健康上の問題で日常生活が制限されず、家族などの手を借りることなく暮らせる年数のことだ。日本では、2010年時点で男性70・42歳、女性73・62歳と世界最高水準にあり、年々延びている。ただし、平均寿命(13年)の男性80・21歳、女性86・61歳と比較すると、いずれも10歳前後の開きがある点に留意すべきだ。この差は、介護や医療への依存度が高くなる期間を意味する。健康寿命より平均寿命の延びが大きいため、拡大する傾向にある。できる限りこの期間を短縮することが、高齢者一人一人の生活を充実させるために欠かせない。寝たきりにならず、健康に過ごせる期間が延びれば、医療・介護費の抑制効果も期待できる。
政府は、健康長寿の実現を成長戦略の柱とも位置づけている。
7月に閣議決定した「健康・医療戦略」では、20年までに健康寿命を1歳以上延ばす目標を打ち出した。「元気で長生き」を支える健康・医療関連産業を育成して、海外展開を促し、経済成長につなげたい考えだ。元気な高齢者の増加は、労働力の確保やボランティアの活性化にもつながるだろう。
健康寿命を延ばすには、現役時代から生活習慣病の予防を心がけることが大切だ。糖尿病や高血圧などは、様々な合併症を引き起こし、要介護状態を招きやすい。自治体や企業も、住民や社員の生活習慣の改善や、健康診断の受診率向上などの健康作り対策に積極的に取り組む必要がある。
静岡県は、健診の受診や日々の運動実績をポイント化し、一定以上になると協力店で優待サービスを受けられる「健康マイレージ」事業を行っている。計測器メーカーのタニタは、歩数計を全社員に配って計測を義務づけ、ランキング上位者を表彰する制度を設けている。
地域や会社の実情に合った対策を進めてもらいたい。
高齢者の活躍の場を広げることも重要だ。仕事や地域活動で社会に貢献することは、生きがいになり、介護予防に役立つだろう。
◆◆◆ 読売新聞/社説/2014年08月24日 ◆◆◆
厚生労働省は1日、2014年版の厚生労働白書を公表した。増え続ける医療費や介護費を抑えるには、日常生活を健康に過ごせる「健康寿命」を延ばすことが重要だとした。厚労白書のタイトルは、「健康長寿社会の実現に向けて」。日本人の10年の健康寿命は男性が70.42歳、女性が73.62歳だった。平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約13年。この差を短くすることが、医療費や介護費を減らすことにつながると指摘した。生活習慣病を予防するために、特定健診(メタボ健診)やがん検診の受診率向上が有効だとした。
白書では、社員の健康づくりに取り組む企業の事例を紹介した。例えば大和証券グループ本社では、健康診断で悪い結果が出た社員に対し、病院での受診結果を報告する「イエローペーパー」を提出するように求めている。三菱電機は適正体重の維持や禁煙運動といった具体的な目標を社員一人ひとりが設定する。個人目標を達成した場合は、会社が表彰する制度を設けている。
デサントは3月、河内音頭をベースにした健康体操を考案した。大阪府八尾市から受託した介護予防事業の一環で、耳になじんだ曲を使い自宅でも楽しく運動できるよう工夫した。
■脱スポーツ用品
制作したデサントヘルスマネジメント研究所は運動生理学やスポーツ医学を学ぶ社内資格制度を担当。すでに製品開発や営業部門などの100人弱が資格を取得した。八木基之所長は「介護予防サービスなどで得たノウハウを製品開発や営業で活用したい」と話す。関西は世界でも有数のスポーツ用品メーカーの集積地だ。世界4位のアシックスを始め、ミズノ、デサント、ダンロップスポーツ、ゼット、エスエスケイなど数多くの企業が神戸や大阪で生まれた。繊維、ゴム、皮革など素材産業の存在が成長の礎である。
米国、ドイツに次いでスポーツ用品大国となった日本だが、少子高齢化による競技人口減少の影響は避けられない。特に日本では学校の部活動が市場を支える独特の構造がある。各社はピンチを逆手に、健康やサービス分野への進出に活路を見いだそうとしている。ミズノは高齢者が体操する「おたっしゃ教室」を2013年度に6施設で開き、14年度は36施設に広げる。歩きやすく疲れにくいウオーキングシューズなど高齢者を対象にした商品開発にも力を入れている。水野明人社長は「高齢化にチャンスがある」と語る。
■シニアに照準
アシックスも今春、公共スポーツ施設の運営受託に参入した。神戸市内で9カ所を運営、グラウンドゴルフなどシニア向け体験講座も開く。9月には運動機能の訓練に特化したデイサービス施設を兵庫県西宮市に設け、個人に合わせた運動プログラムを提供する。国内事業統括会社アシックスジャパンの土方政雄社長は「介護という言葉のイメージを変える」と意気込む。20年の東京五輪も追い風。アシックスの尾山基社長は「五輪を契機に、スポーツを通じた健康で持続可能な社会をつくるのが重要」と指摘する。
関西では翌年に生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ」も開かれる。関西広域連合は国内外の5万人以上が参加し経済波及効果を140億円と見込む。またとない国際イベントをにらみハードとソフトを組み合わせれば、関西から世界へ斬新な商品やサービスを打ち出すチャンスになる。
厚生労働省は7日、2013年度の介護給付費実態調査を発表した。介護サービスや介護予防を利用した人は、12年度から約23万人増え過去最多の566万500人だった。高齢化で右肩上がりで、調査対象が今と同様になった03年度から10年間で1.5倍になった。介護サービスの内訳をみると、在宅で受けるサービスの利用者が約15万人増の約346万人。うち、ホームヘルパーによる介護を受ける訪問介護が139万人(約4万人増)、通所介護(デイサービス)が約175万人(約10万人増)だった。施設サービスは約2万人増の119万人で、うち特別養護老人ホーム(特養)の利用者が60万人(約2万人増)、老人保健施設(老健)が約53万人(約1万人増)だった。
夜間の訪問介護などに対応した地域密着型サービスは約47万人となり、3万人近く増えた。介護予防の利用者は、約9万人増えて143万人となった。うち、訪問介護は約61万人(1万人増)、通所介護は67万人(6万人増)で、これらは15年度から市町村の事業に段階的に移される。
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