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日本から韓国へ、パワーシフトが起こっています  2010.12.08

ソウル(韓国)へ行ってきました。北朝鮮の延坪島(ヨンビョンド)砲撃。黄海での米韓合同演習。首都ソウルはさぞ緊張感があるだろうと思いきや至って平常。師走の街は人々で賑わっていました。が、しかし、地下鉄の駅構内には随所に非常時用のガスマスクが常備されていました。ドッキ!

この時期になぜソウルかと言うと、ATRI(The Aquatic Therapy & Rehab Institute)の韓国側の”窓口”である福祉法人ソウル障害者総合福祉会(通称ソウル・リポートセンター)が主催するアイチ養成コース(2日間)があったからです。この養成コースは年一回開催ですが、ベースとなるアイチ基礎講習会(1日間)が年三回行われており、養成コース受講者全員が事前に講習会を修了しています。ですから、既に基礎があり、結構上手なのです。今回はたまたまプザンでのワッツBasic養成コース(同センター主催)と日程が重なり、ベテランスタッフ(WATSUナショナルトレーナー)がプザンへ出張中とのこと。新人スタッフ3名がアイチを仕切り、大活躍でした。受講しながらですから、終始、彼らは緊張しっぱなしでした。スゴハシャスミダ(お疲れさまでした)。

さて、このソウル・リポートセンターは韓国アクアセラピー界のリーダー的存在です。設立は1982年。敷地面積14,463平行メートル。施設は6,413㎡。プールはワッツ専用を含み大小3つあります。経営母体は「永遠に助ける聖母修道会」というキリスト教団です。当初から障害者への水中運動治療に大変力を入れており、私(今野)も10年前から海外顧問の一人として支援協力しています。同センターのモットーは『…心を自由に…能力を堂々と…人生を大切に…』です。何て素晴らしい言葉でしょう。大好きな標語です。

以前、日韓のアクアセラピストの交流勉強会を行っていました。が、この数年中断しています。今回、同センター長に就任したシスターとのミーティングの中で「そろそろ再開したいですネ」との提案がありました。その通りです。このままだと韓国のアクアセラピーは日本を通り過ぎで行く。そんな勢いすら感じます。チョット焦りますね。

日本では韓国のことを「近くて遠い国」などとチョット余裕のある言い方をしますが、今やそんな余裕はありません。何故ならば、韓国の政治・経済は日本に追いつき追い越そうとしているからです。いつの間にか韓国が東アジアのハブ的な存在になりつつあります。日本→韓国へパワーシフトが起きています。しかし、悲しいかな日本にいるとこの国際的な情勢の変化を感じることはありません。ヤッパリ日本は極東の島国なのですネ。日本から見る韓国とアジアから見る韓国とでは国の存在感が違います。議論ばかりで決断も実行もできない国と世界戦略をもって急速に変化している国との違いです。日本に代わって、韓国はアジアのリーダー国になろうしています。その覚悟と気概を感じます。同様のことがアクアでも起こり得るのです。韓国のアクアには勢いがある。施設数も指導者数も増えています。10年前とは大違いです。このままだと10年後にはどうなっているのか。アクアでも彼らに「水」をあけられるかも知れない。日本人はもっと元気を出さねばなりません。彼らのようにリーダーとしての自覚と覚悟と気概を持たねばなりません。そう思いながら帰国しました。

AD研 今野純

フォトアルバム:http://ameblo.jp/aqua-adi/