ヒト・モノ・カネに加えて「情報」がこれから重要だと言われて久しかった1995年。マイクロソフト社から<Windows 95>が登場。時代は大きく動き出します。フィットネスクラブの運営内容も変わり出します。”三種の神器”としてのプール活用の切り札となった水中ウォーキングとアクアダンスが注目されます。そんな頃だった1997年、AEA認定者の再教育の一環として週末合宿(ウィークエンドキャンプ)が始まりました。
手元にある最も古いデジタル写真は翌々年(1999年)9月に行った第3回週末合宿です。写真参照。アクアダンスをシッカリ指導できるヒトになりたい。そんな声が高まり、それに応えるように、アクアダンスに長けた方をプレゼンターに選びました。当時の選考基準は3つ。つまり…。
◎評価が定まっているベテランから2名
◎評価は流動的だが今後期待できる中堅から2名
◎評価はこれからだが潜在力があるルーキーから1名
毎回、計5名へ講師依頼しました。1泊2日。全国からアクア指導者が集まり、寝食を共にする。夕食後のディスカッションのテーマで最も回数が多かったのは「コリオの組み立て方」と「モティベーションの上げ方」でした。ハードスケジュールでしたが、5名の講師と膝詰めで話し会い、指導に役立つ実践的な内容でした。そして、最もエキサイトしたのは実はプールではなくロビーでの”飲みニケーション”でした。深夜に及ぶこともしばしば。参加者の半数が地方の方だったこともあり、これを楽しみにおつまみと地酒持参する”常連”も多かった。
そんな参加者の顔触れが少しづつ変わり出したのはスタートして10年を経過した2007年以降です。フィットネスクラブ業界の経営難が囁かれ始めた頃です。例の米国サブプライムローン(住宅ローン危機)問題に端を発した世界金融危機(リーマン・ショック)が日本経済を直撃。1万2,000円台で推移していた日経平均株価が一気に6,000円台へ急落。フィットネスクラブの中核市場だったアラフォー(40代前後)の女性入会者数が減少、退会者数が急増。過去に経験したことのないフィットクラブ初の”氷河期”に入りました。
その数年前から始まっていた利益拡大へのコスト削減の切り札、例の”プレコリオ”の導入もダメージ。週末合宿の顔触れが変わる背景になった一つ。すなわち、フリーで活躍するアクア指導者にとっては大きなダメージでした。アクアに限らず、プレコリオの導入とリーマンショックでの不景気の影響でフリーの5人に1人は失職したと言われています。そんなアクア指導者でも参加しやすいように日帰りOKとしたのですが、参加者は減り続けました。そして、週末合宿への要望も変化してきました。つまり、AEA養成コースで学んだ4つのアクア・カテゴリー(カーディオ/トーニング/リカバリー/ボディワーク)それぞれの技量をレベルアップしたい。そんな声が増えてきたのです。要するに、テーマへの要望がアクアの『ヨコ』への広がりよりも『タテ』への深さを重視する人々が増えたのです。
そんな訳で、23回目となる今回の週末合宿(12月3-4日)で一端休止することにしました。今後の再教育は<ステップアップ講習会>を中心に行います。週末合宿は数年に一度、不定期で行いたいと思っております。残念ながら、今回、私は参加できません。韓国ソウルへ。12月1~6日まで留守します。韓国での講習会は1年前からのお約束です。申し訳ありません。悪しからずご了承ください。
AD研 今野 純
◎日本が米国のAEAに影響を及ぼした事の一つが<週末合宿>です。2000年、日本での週末合宿を視察したAEA専務理事アンジー・ネルソン女史。翌年から講師5名(選考基準はほぼ日本と同じ)での1泊2日の再教育講習会を開始。今では”Regional Convention”(地方総会)の名称で全米5ブロックで開催しています。