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古賀眞澄さん 広島でワークショップ 講師感想  2012.03.05

平成23年度健康運動指導者研究交流会
月日:2012年2月24-25日(金土)
会場:広島県民文化センター(広島市中区)

■2月25日11:10~12:40 【ワークショップ】
『高鍋市すっきりかろやか水中運動教室』
~メタボリックシンドローム予防・代謝改善のための運動指導~
講師:古賀 眞澄(パルフィットシステムズ)

 


メタボの原因、過食にあらず

2/24(金)―25(土) 23年度健康運動指導者研究交流会 広島大会で実践研究報告をしてきました。主催はNPO法人日本健康運動指導士会です。今回の発表は水中運動療法のエビデンスの一つになればと思い、実践研究の疫学評価を発表しました。

「エビデンス」とは日本語にすると「証拠」「根拠」という意味です。近年、EBM(Evidence Based Medicine;エビデンスに基づいた医療)、EBHC(Evidence Based Health Care; エビデンスに基づいた保健活動)と略語で呼ばれています。つまり、保健医療で用いる場合には、科学的根拠:実験や調査などの学術的研究結果から導かれた「裏付け」があるということです。

アクアセラピーが疾病予防やリハでの回復・維持期の療法として有効であることは多くの事例から、多くの人達が認識しています。ところが、まだまだ医療や介護との連携が十分に図られているわけではありません。そこで、宮崎県高鍋町での「すっきりかろやか水中運動教室」の実践報告をしました。「教室前後の測定値を統計学的に比較し、体重とBMIに有意な変化が認められ、施設利用者数も介入前に比べると約20%増加しました。」という内容です。口演後「わかりやすく、参考になった」と何人かの健康運動指導士からコメントを貰いました。

今回の基調講演「メタボリックシンドロームその機序と対策」森谷敏夫氏の話は興味深いものでした。メタボの原因は過食と運動不足であることは、今や誰でも知っていますが、森谷氏は「我が国の20才以上の一日あたりのエネルギー摂取量は1975年頃の2226をピークとして減少に転じ、2009年は1883 kcal、終戦直後の1903 kcalを下回っている。それでも肥満者が増え続けているのは、エネルギー摂取量の減少以上にエネルギー消費量が減っている。つまり、国民全体が深刻な運動不足に陥っているということです。」運動しない人が増え続けている原因の一つは運動指導者の力不足である。と言われても仕方ないでしょう。日常生活全体の身体活動量が増加する人を増やすために、「橋渡しのアクアセラピー」を熱意と知恵と工夫で拡げていきましょう。 

3月18日(日)は13年目の「ゆふいん健康温泉サミット」です。菜の花あふれるゆふいんにお出でください。


古賀 眞澄(こが・ますみ)
■福岡県 ■(株)パル フィットシステム代表取締役 ■第3回(2007年)第4回(2009年)第5回(2011年)アクアセラピーシンポジウム講師 ADI&AEA/ATRI/WATSU/HYDRO/AiChi認定者

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