あと数日でロンドン五輪が始まります。会場周辺のビル屋上にミサイルを設置したとか。テロ対策も漫然らしい。オリンピックは国際政治の変遷を映す鏡ですから止むを得ません。国別対抗戦です。
日本政府はロンドンで「世界5位以内」(金メダル15~18個)を目指すと公言。前回(北京)は8位(金9個)。ですから、かなり高い目標値と言えます。が、法律(スポーツ基本法)まで作り、”スポーツを国家戦略にする”と明記。ロンドン五輪予算としてJOC(日本オリンピック委員会)へ27億円強の補助金を出した手前、引っ込みがつかないわけです。金メダル1個につき数千万円が選手個人に支払われます。
スポーツ王国アメリカはどうかと言えば、国家予算をオリンピックに使ったことは過去に一度もありません。もちろん法律を制定したこともありません。今回も過去同様、ロンドン五輪代表チームの全経費の50%はUSOC(米国オリンピック委員会)と各競技団体が負担。残りの半分は各選手個人が負担する。とは言っても、通常はオリンピック代表選手を輩出した所属チームや地域社会のボランティア団体が按分負担するようです。
しかし、今回、米国女子水球チームは個人負担分を度肝を抜く”奇策”で賄いました。なんとヌードポスターを作成、インターネット上で販売(写真参照)。数分で完売。その日のうちに数倍のプレミア付きでネットオークションに登場したというのですからビックリです。さすが現役選手、大腿筋がお見事!(失礼)。米国では賛否両論でTVでも大騒ぎ。ボーダレスのインターネット時代ですから、こんなことも起きるのでしょうね。彼女らがロンドンで金メダルをとれば結果オーライと言うことでしょう。さて、どうなることか。
ところで、ロンドン五輪は今回で3回目だってこと知ってましたか。ご存知の通り、近代オリンピックは1896年、クーベルダン男爵(フランス人)の肝煎りでスタートしました。第1回は古代オリンピック発祥地ギリシャ。そして、第4回(1908年)がロンドン。この頃、イギリスとアメリカは犬猿の仲でした。中止も止む無しとの険悪な雰囲気だったようです。両国の対立感情を和らげねばと男爵は考えたのでしょう。急遽、『オリンピック憲章』に加筆。改定発布します。その冒頭に記された文章があの有名な「~オリンピックは参加することに意義がある~」だったのです。
2回目のロンドン五輪(1948年)。日本は敗戦国だったので参加できませんでした。そこで日本水泳連盟は男子1500M自由形決勝レースをロンドンでの決勝レース日に合わせます。場所は東京千駄ヶ谷の神宮プール。古橋・橋爪両選手が国家の威信を掛けて泳ぎます。結果はロンドンでの「金」より30秒ちがく速いタイムを樹立。水泳ニッホンの”復活”を世界へ知らしめた大ニュースとなったのです。
なので、ロンドン五輪は3回目ですが、日本は初参加。ガンバレ・ニッポン!
今日(7月24日)になって日本政府の言い分が微妙に変化、ロンドンでの「金」の数を15~18個から12個に変更したようです。「世界5位以内」は正直ムリ。前回(北京)は金9個でしたのでロンドンで金12個であってもハードルが高い。頑張って欲しいね。