律儀な方からのお便り。「スイミングコンセプト」のイラストを描いてくれた方からでした。何と20年前の話しで、お支払した金額が多少多めだった。その分をお返ししたいとの内容でした。
この女性イラストレーターはその後、アメリカへ。現在はニュージーランドにお住まいとのこと。現地でお知り合いになった方がたまたま水泳好きで、その方が例の本(スイミングコンセプト)を持っていた。それを観てビックリ。ズーッと心残りだったようです。
もともとこの本の元原稿はソニー企業発行の月刊誌に連載された記事。女性イラストレターとお知り合いになったのも編集者の仲介でした。既存の水泳本とは内容や表現がやや異なっていたので複数の出版社が尻込み。紆余曲折の末に自主出版することになったのです。それが何とこれまでに通算1万部以上売れている。英語と韓国語にも翻訳されている。自主出版本としてはいずれも異例。有り難い事です。
水泳界の有名人が“影武者”に書かせた本はいさ知らず。が、現場の水泳コーチが自ら書いた本は初版刷りで終わり。せいぜい売れて数千部。それがこの世界の常識です。大きくて重い本は売れない。それも常識。ましてや262のイラスト、380のクエスチョン。出版社は“GO”を出さなかったワケです。それが幸いしました。
それにしても、20年間も気になっていたとは…。なんと律儀な方でしょう。また機会があったら、イラストを描いて頂きたいですネ。お陰さまです。