メタボ健診受診率、国の目標下回る 14年度は5割弱
生活習慣病予防のため40~74歳を対象にした特定健康診査(メタボ健診)の2014年度の受診率が、前年度より1.0ポイント増え48.6%だったことが11日、厚生労働省の集計で分かった。国は受診率70%を目標としており、大きく下回る状況が続いている。
特定健診では腹囲が男性なら85センチ、女性なら90センチ以上で、血圧や血糖などの値が基準を超えるとメタボリック症候群と判定する。14年度の対象者は5384万人で、受診者は2616万人。メタボと判定され、生活習慣の改善を促す特定保健指導の対象になったのは440万人で、同指導を終えたのは78万人だった。
メタボ健診の受診率46% 12年度厚労省まとめ、目標には遠く
厚生労働省は4日、2012年度に特定健康診査(メタボ健診)を受けた人の数が2440万人で、対象者全体(5281万人)の46.2%に当たると発表した。前の年度に比べて1.5ポイント上がったが、目標とする17年度時点の70%には遠く及ばない。同省は、生活習慣病の予防を通じた医療費削減に向けて、健康保険などに健診や指導の徹底を求める考えだ。
メタボ健診は40~74歳が対象。男性では腹囲85センチメートル以上で、血圧や血糖などの値が基準を上回るとメタボリック症候群と判定する。メタボと判定され、保健師などが生活習慣の改善を促す特定保健指導の対象となった人数は、432万人だった。
メタボ健診の実施率を保険の種類別にみると、公務員が加入する共済組合が72.7%、大企業社員の健保組合が70.1%と高い。一方、中小企業社員らの全国健康保険協会(協会けんぽ)は39.9%、非正規社員や無職者も多い国民健康保険は33.7%と低かった。
矢野経済研究所(東京・中野)は2013年度のお稽古・習い事市場は受講料ベースで1兆9910億円となったと発表した。12年度と比べてほぼ横ばいだった。少子高齢化で習い事をする人が減るなか、健康志向の高まりでスポーツ教室がプラスだった。2020年の東京五輪の開催決定を追い風に、当面はスポーツ関連の習い事が安定基調にあると同研究所はみている。
分野別にみると、スポーツ教室は6380億円と1・3%増。フィットネスクラブに通うシニア層が増えているほか、スイミングスクールなど子供向け教室が堅調だった。このほかに英語教室(2・2%増)、料理教室(0・9%増)も前年度実績を上回った。一方で茶道など日本文化教室は3347億円と1・7%減った。
消費増税の影響について消費者に聞いたところ、77・8%が「影響はない」と回答した。ただ「習い事を辞めた」「レッスン回数を減らした」など支出額を減らした人は20・4%にのぼり、「駆け込みで習い事をはじめた」(1・2%)を大きく上回った。
調査は4~6月、主要カルチャーセンターやフィットネスセンターなど関連事業者に、面談や電話などで聞き取ってまとめた。
みずほ情報総研は健保組合や共済組合向けに、医療費の効率化を支援するサービスを始める。健保が持つ特定健診(メタボ健診)のデータや診療報酬明細書(レセプト)を分析。糖尿病など生活習慣病の疑いがある人を見つけたり、無駄な受診を減らすことで医療費の削減につなげる。
血圧、体重などのデータを分析して、生活習慣病の疑いがある人を探す。糖尿病にかかると年間の治療費が数百万円にもなることから、病気にならないように重点的に指導する。毎月何度も同じ病院に通う人を割り出し、不要な受診をやめるよう指導する。健保の加入人数に応じて値段は違うが、分析だけなら100万円程度から。ソフトは300万円から購入できる。
厚生労働省は2014年度から、すべての健康保険組合にIT(情報技術)を活用してレセプトを分析する「データヘルス計画」を作るよう求めている。みずほ総研は膨張する医療費削減に向け、医療データを分析する需要が増えると判断した。