3.11東日本大震災後、フィットネス業界は業績悪化に苦しんでいるといった報道が多い。思い返してみれば、阪神淡路大震災(1995年)の一年後、神戸市内のフィットネスクラブはどこも会員が増えた。NY多発テロ(2001年)の場合、1年後のNY市内の小クラブ(ジムのみ)はどこも満員御礼の盛況ぶりでした。今回は被害規模が違うので何とも言えませんが<健康も大切だが体力が肝心だ>と痛感した人々が多い。健康と体力には微妙な隙間があり、体力が優先(?)と感じた方がいるであろう。だとすれば1年後、会員増だといいのですがネ。
業界大手セントラルスポーツ(東証一部上場)の試算によれば、大震災での損失は売上約5億円減、特別損失1億9千万円と算出しているようです。政府が発表している災害地向け「緊急融資制度」も実質的には何の役にも立たないと嘆いています。何故ならば、支援が必要な事業所(クラブやスクール)に認定される条件は、その会社の30%以上が災害地からの売り上げで占めていなければなりません。これでは独立単体系クラブであってもチェーン展開しているのなら対象外になるからです。
フィットネス業界が急成長している頃(20年前)であれば会員構成は20~30代で60%を占めていた。が、今は40%弱。今では40代・50代・60代がそれぞれ20%づつで計60%を占めている。70代も10%強なのが現状です。高齢化した会員構成に対応したクラブ運営でなければとても生き残れません。そこでこのサバイバル時代の戦略展開の”目玉”とされているのが次の3つです。つまり…
◎スクーリング(集合学習) 運動よりも学習を…
◎パーソナル(個別指導) 集団よりも個人を…
◎ヘルスケア(予防改善) 健康よりも機能を…
この3つを横断的にカバーできる唯一の運動施設がプール。『水』(Aqua)です。プールの活用をどうずべきか。20年前と代わり映えしないのなら、今後、大苦戦すること請け合いです。もっと知恵を絞り、どうすればもっと水を活かせるか。それが高齢化社会でのクラブ運営の盛衰を分けます。そんなこんなを考えている日々、以下の記事を目にしました。
AD研 今野純
介護予防フィットネス「ジョイリハ アスリエ 宮前平」 今秋オープン
株式会社文教センターは介護予防事業に参入、東急田園都市線宮前平駅近くに「健康運動専門デイサービス施設」を開業する。同社は予てより「小規模単一アイテム施設」の展開を模索しており、この種の業態の中で社会貢献度が高く将来有望な介護予防事業にいち早く取り組んだもの。なお、出店は既存クラブの隣接地域としており、既存事業と合わせて地域への幅広い健康サービスを提供したいとしている。また、同事業にはノウハウ構築に多大な時間と労力が必要なため、オカモトグループの株式会社パワーリハ(ジョイリハを運営)とのFC契約での展開を予定している。今後は、当面の目標として2年以内を目安に、5店舗を出店予定。
11/7/6 フィットネスビジネス(クラブビジネスジャパン)