疾病や障がいを持つ方たちのアクアセラピーのプログラムを組み立てる時に、考慮すべき要素は、①安全、②効果、③楽しさです。つまり、ケガしたり、疾病・障がいのレベルを悪化させずに、状態の維持もしくは向上が期待できて、そのプログラムに参加すること自体が楽しく、又参加したいと思ってもらえるものです。
多分多くの方が「そりゃあ、そうだよね。」と思われることでしょう。しかし、現実にはこの3要素の案分が難しい。
■安全を優先しすぎると、効果の薄い、つまらいアクアになってしまいます。
■効果を優先しすぎると、ケガをさせたり、疾病・障がいのレベルを悪化させることにつながり、力みや緊張を強いることになります。
■楽しさを優先しすぎると、効果不明で混乱と緊張を生み、不安と不満を持たせることになります。
全国で、この3要素の案分にジレンマを感じている人が多いでしょうが、統一した答えは有りません。それぞれの現場の参加者の人数・疾病や障がいの程度・運動経験・意識、施設の条件、スタッフ体制・経験・能力、地域特性等により毎回答えは変化するからです。マニュアル化しにくく、ノウハウの確立に多大な時間と費用と手間が必要です。
先日、田園スイミングスクール社長、谷政樹さんのパーソナルアクアセラピーの指導の現場を見せてもらいました。対象者は高齢の女性、骨粗しょう症で円背。この方の場合アクアで免荷された分陸上で不安定になるので、1㎏のアンクルウェイトを着けて、水中運動をされていました。水中でおもりを使うプログラムは初めて見ました。良いヒントをいただきました。
アクアセラピー答えは一つではありません。10年間の積み重ねをしてきた「アクアセラピーシンポジウム」に集いましょう。そして、互いに実践の中で発見したワンピースを交換し、参加者を「健康と生きがい」へと導く地図を作りましょう。
株式会社 パル フィットシステム代表 古賀真澄
ブログ:http://ameblo.jp/pal-boss
※古賀眞澄さんは第5回アクアセラピーシンポジウムの講師。古賀さんの講座《高鍋モデル~膝・腰らくらく教室~の実際》は第3日(8月8日)09:00-11:30です。詳しくはこちらへ >>